翻訳業界には、さまざまな役割が存在します。その中でも「レビュワー」「ポストエディター」「コーディネーター」は、翻訳プロジェクトを円滑に進めるための重要なポジションです。
今回は、それぞれの役割、求められるスキル、そして報酬の目安について詳しく解説します。自分に合った働き方を見つけるための参考にしてくださいね。
この記事に在宅翻訳者に必要なスキルなどをまとめました。

レビューアー(チェッカー)とは?
レビューアーは、翻訳者が作成した訳文を精査する仕事です。誤訳や文法ミスを修正するだけでなく、原文の意図を正確に反映しているかを確認し、最終的な品質を保証します。
さらに、用語の統一やクライアントが指定するスタイルガイドへの適合もチェックする役割があります。

たまにレビューアーの仕事をしてみると、自分が翻訳する際に気をつけるべき点がわかったり、他の翻訳者の表現方法やミスに気づくことで、自分のスキル向上にもつながりますよ。
必要なスキル
- 高度な言語能力:原文と訳文を正確に理解し、違和感なく仕上げる力が必要です。
- 注意力と集中力:細部まで目を配り、些細なミスを見逃さない能力が求められます。
- 専門知識:翻訳する分野(医薬、技術、法律など)の知識があると重宝されます。
報酬の目安



レビューアーの報酬は時給1,400円前後が一般的です。安定した案件を得られると、パートでも働き方によっては月収10万円以上も目指せます。
ポストエディターとは?
ポストエディターは、機械翻訳(MT)が生成した訳文を人間の手で修正し、自然な文章に仕上げる仕事です。
「フルポストエディット」では高品質を目指し、「ライトポストエディット」では理解可能なレベルへの調整を行います。



ポストエディターもトライアルがあります。会社によっては、レビューアーのトライアル合格が条件の場合もありますよ。
必要なスキル
- 翻訳力:人間の翻訳者と同等、もしくはそれ以上の能力が求められます。
- ITスキル:翻訳支援ツールや機械翻訳エンジンを使いこなす技術が必要です。
- 専門分野の知識:翻訳対象分野の背景知識があると修正作業がスムーズです。
報酬の目安



ポストエディターの時給は1,500円~1,600円前後です。案件や働き方に応じて月収20万円を目指せます。
コーディネーターとは?


コーディネーターは、翻訳プロジェクト全体を管理する仕事です。クライアントとの連絡、翻訳者やレビューアー(チェッカー)の手配、スケジュール管理、品質の最終確認など、幅広い業務をこなします。



本来、コーディネーターの業務に含まれない翻訳作業ですが、翻訳者が確保できない場合や、小規模な案件を社内で処理したいといった理由から、翻訳を任されることもあります。
必要なスキル
- コミュニケーション能力:翻訳者やクライアントと円滑にやり取りをする力。
- プロジェクト管理能力:スケジュールやリソースを効率的に管理するスキル。
- 問題解決能力:プロジェクト進行中に発生する課題を迅速に解決する能力。
報酬の目安



コーディネーターの時給は1,000円~2,000円以上と、資格や経験、仕事内容で幅があります。高時給の場合、高いスキルが要求されるので仕事内容をしっかり確認しましょう。
それぞれの役割の違いと共通点


翻訳プロジェクトには、レビューアー(チェッカー)・ポストエディター・コーディネーターという3つの主要な役割があり、それぞれが連携しながら翻訳の品質を向上させ、スムーズな進行を支えています。
翻訳の仕事は単に原文を別の言語に置き換えるだけではなく、正確さ・自然な表現・意図の伝達など、多くの要素が関わります。そのため、各役割が果たすべき役目をしっかり理解しておくことが大切です。
1. レビューアー(チェッカー)
レビュワーは、翻訳された文章の最終チェックを担当する役割を持ちます。誤訳や不自然な表現がないかを確認し、文法・語彙・文脈に沿った適切な訳文へとブラッシュアップします。
特に、専門的な文章や法律文書、技術文書などでは正確性が求められるため、慎重なチェックが必要です。



さとは、ゲーム翻訳でチェッカーを経験しましたが、スラングや他の人の訳文を見てとても勉強になったのを覚えています。
2. ポストエディターの役割
ポストエディターは、機械翻訳(MT:Machine Translation)によって生成された訳文を修正し、人間が読んで理解しやすい自然な文章へと仕上げる役割を持っています。
近年の翻訳業界では、AIによる機械翻訳の精度が向上していますが、それでもニュアンスの違いや誤訳が発生することがあります。ポストエディターは、機械翻訳のミスを見抜き、文脈に沿った適切な表現へと改善することが求められます。



私は経験ないのですが、当時、機械翻訳が使えるレベルではなかった時代、翻訳仲間でポストエディットをやっている人がいたんですが、訳文がひどく、ストレスになる……と嘆いていました。
3. コーディネーターの役割
コーディネーターは、翻訳プロジェクト全体を管理し、スケジュール調整やチーム間の連携をサポートする役割です。
翻訳者・レビュワー・ポストエディターとの橋渡しを行い、クライアントの要望を正しく伝えながら、プロジェクトの納期や品質を管理します。プロジェクトがスムーズに進むように、タスクの分担や納品スケジュールの調整を行うことが重要です。



「英語力不要」「未経験OK」で募集しているコーディネーターのお仕事だと、時給1,000円~1,200円くらいが相場です。
4. 3つの役割の共通点
それぞれの役割は異なる業務を担当しますが、共通するポイントもあります。すべての役割において、高い言語能力や専門知識が求められることが共通点です。
また、チームでの連携が重要であり、特にコーディネーターはコミュニケーションスキルも不可欠です。翻訳の品質を高めるためには、それぞれが自分の役割を理解し、協力しながら作業を進めることが大切です。
翻訳プロジェクトは、一人で完結するものではなく、複数の専門家が関わることで、高品質な訳文が完成 します。それぞれの役割を正しく理解し、自分に合った働き方を目指しましょう!
翻訳業界でキャリアを築くために


翻訳業界で成功するためには、スキルを磨き続けることが重要です。オンラインコースや資格取得を活用し、専門分野の知識を深めましょう。
また、業界未経験のうちは、クラウドソーシングを活用して単価は低くても多様な案件に挑戦することで、経験を積むことができます。



さとも、翻訳業界未経験・資格なし・スキルなしの状態から、翻訳講座で学び、試行錯誤しながら なんとか在宅翻訳者として報酬を得ることができました。
まとめ
翻訳業界には、自分のスキルや目標に合った働き方が必ず見つかります。
レビュワー、ポストエディター、コーディネーターといった多様な役割を理解し、どの分野で自分の強みを活かせるかを考えてみましょう。
あなたのキャリアが成功へと繋がる第一歩を踏み出してくださいね。